ケシ 阿片 モルヒネ ヘロイン
例えば中島らもの「アマニタパンセリナ」や石丸元章の「スピード」や麻枝光一の「マリファナ青春旅行」などは、麻薬の個人体験記としての名著でありいずれも楽しく拝読したのだけれど、この本はそれらとは少し違うテイストの本だ。
最後まで三留氏が麻薬を体験したのか判然としない。
情緒を廃した淡々とした文章で麻薬と麻薬を取り巻く政治について書かれており、上記の作品とはまた違った凄みを感じさせる。
氏はカメラマンであり、この本はカラー写真が三分の一を占めているのだが、ある意味写真は文章よりも雄弁である。
ゴールデントライアングルの相当深い所まで行って撮影したのが良く分かる。
あの角川春樹もゴールデントライアングルを潜入取材したという触れ込みの本を出していたそうだ。
仰々しい文章で書かれた嘘臭い本であるらしく、そっちもぜひ読んでみたいものだ。